シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
非日常を、日常に。日常を、非日常に。
今回のシェアハウス探検隊は「ANTEROOM KYOTO」。
京都駅もほど近く、ひとつの建物の中にホテルとシェアハウスが共存するユニークなプロジェクトが、2011年4月末にいよいよスタートしました。純粋にデザインという意味での空間品質も必見なのですが、やはりシェアハウスとしての在り方にも注目したいところ。
ANTEROOM KYOTOは国内外を問わず、世界中から京都を訪れる方々のためのホテルと、そこに暮らす方々のためのアパートメントを半分ずつ組合わせた構成となっています。
“anteroom”とは、「次の間」や「待合室」のことを意味します。
おまけにこのホテル、併設されたギャラリーやレストランでは様々なアート・イベントの開催も予定。ホテルのロビーでは、各種カルチャー誌も読み放題ということで、感度の高い人々へ向けて情報を発信する機能性も兼ね備えています。
ビジネスや観光で京都を訪れる人々と、京都で日常を生きる人々の刺激と情報が交錯するスペース。新鮮な空気を纏った人々が毎日のように訪れ、新しい刺激を持ち込んでは交錯を続ける、実に先進的な試みとなりそうです。
まったくもって楽しみ。
2011年の関西シェアハウス事情の転換点となるかもしれません。
それでは、期待に胸を踊らせつつ中を見てみます。
さて、コチラが古い建物をコンバージョンして再生したANTEROOM KYOTO。
ホテルとアパートメントは中で繋がっていますが、入り口は分かれています。
アプローチには、豪快なサインがごろり。
ホテルのエントランス・ドアは、まるで板チョコのよう。
アパートメントの入居者専用の玄関もありますが、こちらを使用してもOK。
それでは、まずはホテルの内部へ。
ドアを開けると、目の前に抜けの良いギャラリー・スペースが拡がります。
ロビーの先には雰囲気のあるソファが置かれ、さらに奥へ進むとラウンジ空間へと連続的に繋がっていきます。アパートメントの入居者は自由にこれらの空間が利用できますが、当然のことながら最低限のドレスコードは心に留めておいて頂きたく。
右手に目をやると、ペンダントライトのさがる落ち着いたフロント。ホテルなので当たり前の事ではありますが、フロントにはスタッフが常駐します。
さて、こちらがロビー側から見たフロント周辺。
ちなみに、天井はかなり高め。
ウォールシェルフには世界の新旧デザイン・ブックや京都ガイドが並びます。
ホテルの滞在者は京都の情報を求め、アパートメントの入居者は外の世界の新しい刺激を求める。必然のようにも感じられる本達の並びようは、まるでこの場所を象徴するよう。
ちなみにセレクトは京都っ子達の御用達。恵文社一乗寺店。
ひつじ不動産のフリーペーパー「京都シェア生活」が置いてあるという噂も。
ガラーンとした空間は、ロビーに併設されたギャラリー・スペース。ANTEROOM KYOTOが九条と十条のちょうど中間あたりに位置することから、付いた名前は「GALLERY 9.5」。
京都を訪れる国内外のカルチャー・フリークと、アパートメントに暮らす(おそらくは)感受性豊かな面々を、定期的に変化する感度の高い展示が刺激するはず。
さて、フロントとギャラリーを横目にロビーを奥へと進みます。
ソファ・スペース、レストラン、ラウンジと連続的に繋がる空間は、SOHOなどのビジネス・ニーズにも使えそうです。
ピリッとしたグレード感も漂うカラフルなソファに腰を下ろせば、一気にビジネスモードにスイッチ。スペース自体が非常にユニークですから、打ち合わせ相手に提供する話題にはこと欠かないはず。
ソファ・スペースは、緑の茂る中庭に向き合うように配置されています。
さし込む日射しも相まって、緊張感とリラックスしたムードのバランスが丁度よい感じ。
実は、ロビーから中庭にも出られます。
枕木が敷かれたこの空間、夜はライトアップで一味違った表情になるそうな。
真相を確かめるため、一度は泊まってみたいものです。
そのまま、さらに奥のラウンジへ。
やはりちょっとした打ち合わせにもピッタリな、ほど良いフォーマル感を兼ね備えたシンプルなスペース。
こちらも、アパートメントの入居者は自由に利用可能です。
カフェのような環境は、PCを持ち込んでの仕事もわりと快適かもしれません。
ロビーからラウンジへ抜ける途中には、レストラン「antemeal」の入口があります。
壁に掛かる金屏風テイストの絵もスタイリッシュで面白いのですが、ガラス越しに見える空間がなんとも気になります。
大きな扉を開けて、レストランへと足を踏み入れてみます。
天井から無数にぶら下がるペンダントライトが照らす、落ち着いた雰囲気のレストラン。
夜が待ち遠しい空間です。
ちなみにレストランの利用は、当然ですが有料。食品類のお持ち込みもNGでありますので、ご注意を。でも、ランチミーティングに使うといった形はアリでしょうね。
レストランの奥の方の一角は、ブロックで囲われた特別なスペースに。
豪華なシャンデリアも印象的。
ちょっとしたパーティーやミーティング、プレゼンなどにも使えそうです。
さて、いよいよアパートメントへと向かいましょう。
フロントから真っ直ぐに伸びる廊下の先には、別棟へと繋がるドアがあります。
とは言うものの、アパートメントにはホテルとは別にきちんとエントランスがあります。
普段利用することが多そうなので、今回はソチラから。
一度外へ出て回り込んでみると、アパートメント専用の秘密のエントランスが見つかります。
リノベらしく年季の入ったステンレスのドアは、表現を粗く削って立体的な表情に。
ドアノブの金物も工業っぽくて良し。
ノブを引くと、ちょっとした玄関ホールへ。
左手に郵便ポストがあります。
で、こちらのドアから先はオートロックになっていて、入居者以外は入れません。
ドアの脇には、各個室へ繋がるインターホンが設置されています。
ということで、まさにアパートメント。便利です。
さて、少し重い2枚目の扉を開けると、モルタルの無機質な床が真っ直ぐに伸びています。廊下の奥の突き当たりのドアは、ホテル部分へと繋がっています。
右手に見える白いドアは、レジデンスの共用キッチン&ダイニング。
さっそく、ドアを開けて内部を見てみたいと思います。
ホテルとは雰囲気の異なる、さっぱりと白く塗られた天高のダイニング。写真では光の関係でペンダントライトの照明を消していますが、点灯させれば少し暖かなムードが加わります。
実は元々は学生寮だったというこの建物。テーブルを囲むチェアは、以前は自習室に置かれれていたものだそうです。
白いテーブルは、実は小振りなタイプを4つ繋げて並べているだけ。入居者さん達の好みに応じて、良い具合にレイアウトの調整も可能です。
さて、玄関から何気なく移動してきましたが、共用部は靴を履いたままで移動します。ホテルライクと言うかホテルですが、ま、そんなイメージで。
自分の部屋から来る時はサンダル履きで良いのではないでしょうかね。
隅に置かれた小さなラックには、料理雑誌が置かれていました
おそらく、色々な濃い雑誌が行き交う事になると思います。
では、続いてキッチンの設備をチェック。
キッチンは、オール・ステンレスの立派なアイランド・キッチン。
シンクは、容量大きめのものが1つだけ。
実は各専有部にミニ・キッチンが付いているので、ちょっとした調理ならそちらでも大丈夫。でも、「よし、今日はやるぞ!」な時はゼヒこちらで。
ちなみに、コンロはIHです。
ベーシックな食器類は、引き出しの中に収納されています。
キッチン家電等は白で統一。
ホームベーカリーも用意されています。
ひとりひとり食材などを保管するストッカーは、キッチン家電の置かれたカウンターの下に。
タイルを剥がしたままの粗い風合いが残された床が雰囲気あります。
では一旦廊下に戻り・・
エレベーターで2Fへ。
エレベータの内部には、何やら白い円盤が掲げられています。
なるほど、こちらはANTEROOM APARTMENTなのですね。
さて、エレベーターを降り、カーペット敷きの2F廊下へ。
そのまんまホテルの廊下ですね。
フカフカした足触り。歩いている音も響かず、奥までシンと静まる内廊下。
「ホテルに住みたい!」きっと数多く語られてきたであろう夢、今まさに叶いそうな予感がします。
では、223号室から専有部の内部を見てみたいと思います。
部屋ごとに幾つかのバリエーションがありますが、223号室はDIYルーム。
かなり自由度の高いカスタマイズが可能です。
無垢材で床を組んでみたり、壁を塗装したりと自由に手を入れられます。
退去時には現状回復が必要ということですが、自分でそのままの状態で住み継いでくれる人を連れて来れば、原状回復無しでOKとの事です。※詳細は契約前にしっかり確認して下さいませ。
賃貸物件で生活空間を自分好みにカスタマイズできる機会は、そうはありません。色々やってみたい方、必見です。
収納スペースもボリューム大きめ。
収納の脇には、洗濯機置き場。
さらにその脇の引き戸の奥が、サニタリー。
洗面台から左手にはバスルームがあります。
で、反対側にはトイレが。
色々と一体化した水回り設備の納め方は、ちょっと欧米っぽい感じ。やや好みが分かれる所ではありますが、広々として良いと思います。
部屋のドアの脇には、ワンルームによくあるミニ・キッチン。
ちょっとした料理や湯沸かしならコチラでOK。
ドア付近の不思議なパネルは、節電のスイッチなのだそう。
鍵を挿さないと、キッチン周りの電気が付かないというような仕様だったかと。こんな所もホテルっぽいですね。
さて、先程の収納の対面にある窓の外には、素晴らしい長さのバルコニーがあります。
どーん。ほ、細長い。。
反対側から見るとこんな具合。バルコニーは、上階の部屋からは丸見え。
実はこのバルコニー、外から見ると・・
ホテルのサインが付いている場所なのです。うーん、なるほど。
223号室に入居しようという以上、この得がたいバルコニーを存分に使いこなすことは、もはや義務と言えましょう。
ランドリー・スペースは、階段室の手前の廊下に。
壁にはカッチリとしたアイコン。
ドラム式の乾燥機能付きの洗濯機がフロア毎に設置されています。
なお、フロアの移動は奥の階段を使うこともできます。
一度エレベータに戻り、お次は3Fへ。
エレベーターを降りた所に、どのフロアにもシックなサインがあります。
では、303号室を見てみます。
床はグレーのカーペット敷き。
今度はDIYではなく、プレーンなスタイルです。
ドアの脇に靴箱が置かれていて、靴はこの辺りで脱ぐ感じのようです。
室内の備品類はホテルと同じモノを用意したとか。
ということで、割と充実しています。
むしろ、アパートメントっぽいホテルなワケですね。
でも、ベッド下の収納はアパートメントだけだそうです。
ミニ・キッチンは先程とほぼ同様の物がドアの傍に、トイレ、浴室はこのようなユニットバスになっています。
水周り設備が専有部に備わっているのは、嬉しい方も多いのでは?
続いて333号室を見てみます。
こちらは備品なしの部屋。床のカーペットの色もベージュで、とにかくプレーン。
家具類は自分で入れたい!という方もこの物件は多いと思いますので、これはこれで需要がありそうです。
続いて、421号室。
こちらはモデルルームということで、色々細かな備品が入っています。
住み方の一例として、参考程度にどうぞ。
スツールという手があるのですね。
かなりリアルです。
ユニットバスも、少しだけ手が入っています。
続いては430号室。
こちらはホテルと同じ備品付きのスタイル。
ベッドの隅に降りているライトもアクセント。
寝転んでも届く位置にスイッチがあるので、読書灯としても地味に便利そうです。
最後は524号室。
5Fには、ロフト付きの専有部が幾つかあります。
ロフト以外は先に紹介した223号室とほとんど同じですが、床はカーペット敷きです。
ドアの引き手はオーダーメイドなのだそうな。
ということで、部屋のテイストにぴたりとフィット。
19.2畳もある広めの専有部は、水周り設備もゆったり。
壁のスイッチパネルも雰囲気あります。
ロフトのハシゴは、ステップまで細身の華奢なスタイル。
でも、強度はしっかりしています。
ロフトは高さがあまり無いので、収納スペースにどうぞ。
もちろんミニ・キッチン付きですが、本格的な料理を思い立ったら、1Fの共用キッチンへ食材持参でGo!
建物裏には自転車置き場があります。
坂の少ない京都市内は、自転車があると行動範囲がグンと広がります。
最寄りの駅は京都市営地下鉄烏丸線の十条駅で徒歩4分。京都駅から1駅の京都市営地下鉄烏丸線の九条駅は徒歩6分。電車が1駅分動く時間を考えると、九条駅を使う人の方が多くなりそうです。
写真は九条駅前。
ちなみに京都駅まで歩いても12分ということで、ホテルとしてもまずまず便利。建物の目の前にはスーパーもありますし、生活には割と便利そうです。
さて、ANTEROOM KYOTOを運営するのは、実は一部不動産界隈では大変有名な「USD株式会社」さん。
東京でも「キッザニア東京」や目黒にあるリノベーション・ホテル「CLASKA」を手掛けています。
いわく、どちらかと言うと「シェア生活」というよりは「カルチャー・ホテルに暮らす」という価値観で捉えて欲しい、との事です。ふむ、何となく分かります。
今回はホテルとアパートメントの融合という先進的なスタイル。入居者間にとどまらず、京都を訪れる短期滞在者やホテルで開催される様々なイベントの訪問者なども交えた多様な発展性が醍醐味ではないかと思います。
九条、十条というエリアは、京都駅までの距離感の割に現時点でいわゆる「京都らしさ」溢れるエリアではありませんが、だからこそ尖ったクリエイティブの方々、ゼロからのコンテクスト作りに参加する醍醐味を見逃すなかれ。
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エントランス脇の提灯のようなライトは、日が暮れる頃になると灯ります。
正真正銘、ホテルなのです。
(サトウ)
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