ANTEROOM APARTMENT OSAKA

ID : 1310
シェアハウス探検隊

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通信ビルをアートな住まいに

ANTEROOM APARTMENT OSAKA

2015/08/17

築80年の貫禄。

サンフランシスコ(ロス・アンジェルスという説も)のヒッピーや、カリフォルニアのサーフカルチャーなど、特定のエリアで生まれたムーブメントが世界に広まり、時代を象徴するユースカルチャーへ変化した例がいくつかあります。

一概に並べていいものか迷いはありますが、最近では東京のKAWAIIもそのひとつかもしれません。

持論ですが、カルチャーとは、どこか通じる指向性を持った人たちが、特殊な環境に集まった多くの情報から、ある価値観のもとで取捨選択を繰りかえすことで形づくられたスタイルのことを指すのだと思います。

さて、ここは都心からほど近い、大阪府池田市。

にぎわいを見せる商店街の一角に、「ANTEROOM APARTMENT OSAKA」は佇んでいます。

歴史的な通信ビルを、そのクラシカルな趣きを残してコンバージョン(用途転換)したシェアハウス。

アートを起点にたくさんのモノ、コト、ヒトが集まる仕掛けが暮らしの随所に。もしかしたら、こんな場所からカルチャーが生まれることもあるのかな、なんて。

そんな期待を思わず抱かせる、クリエイティブ・アパートメントだと思います。

にぎわいを見せる、アーケード型の商店街を歩くこと数分。

なんと、この地域センター的なオフィスの隣にある通路が、シェアハウスのアプローチになっています。

つまり、エントランスへいたるアプローチが商店街に面した珍しい立地。なんだか秘密基地のようです。

利便性という観点では、雨の日でも、ほぼ傘を使わず駅まで行くことができるのは嬉しいかもしれないですね。

アプローチを遮るように現れる、まるで黒いフレームが浮遊しているかのようなガラス張りのスタイリッシュな門扉。

内外に等間隔でならぶ四角柱のアートピースの本領発揮は、夜になってから。

日が暮れると四角柱の内部がライトアップされ、建物のハードな外観と相まって独特の雰囲気を醸し出します。

アーティストの小宮太郎氏と児玉真人氏によって制作された、「 Void / Figure 」。

彫刻家、建築家、エンジニアがチームを編成し、若手アーティスト2名とコラボレーションし、コクヨ社の当時国内最高峰の展示ケース製作技術を結集して制作されたとか。

玄関のドアハンドルは、円形の個性的なフォルム。

スタイルだけでなく、押しやすさも、引きやすさもしっかりしてます。

それではさっそく、内部へ足を踏み入れてみます。

玄関のフローリングは、かつての躯体の趣きをそのまま残した味わいのある仕上がり。

正面のドアはアトリエスペース&トランクルーム、メイン・ラウンジは2Fで、館内は基本的に土足で移動します。

階段室は開放的な吹き抜け構造。

それにしても、ずいぶん渋い…とお感じの方は、鋭い。

この建物、近年は大手企業の通信ビルとして使われていた、築80年の歴史ある建築。稀に見る築古建築ですが、施設の性質上、もともと「超」が付くほど堅牢に設計されているとか。

電気回線などのライフラインもしっかりしていて、やはりネット環境にも自信があるとか。

ラウンジは階段を上がって、右手すぐのところ。

それにしても、渋くて優雅な階段室です。

インダストリアルなテイストで仕立てられた、約66帖の2Fのラウンジ。

4.6mに達する天井高で、抜群の開放感です。

縦横に走る配管群も、単にラフな仕上げというより、まるでデザインされたかのように空間に立体感を生み出すアクセントになっています。

躯体むき出しの、年季を感じさせる床面。

細部を見ればクセのあるインテリアも、基本的にこの躯体の表情に寄り添い、ヴィンテージ感の漂うセレクト。一見メンズ好みの渋い空間は、大きな窓から日差しがたっぷり注ぎ、なかなか爽やかでもあります。

6人掛けのダイニングテーブルは、古民家の廃材をリユースしたもの。

不揃いの天板も、既成品とは異なる温かみがあります。

ダイニングのとなりは、ソファスペース。

個人的に座り心地はファブリックが好みですが、使い込まれるほどに重なる革のヤレ感は、やっぱり魅力があります。

ソファの背後の壁に描かれた、大きくて緻密なドローイング。

現代美術家・名和晃平氏の作品です。館内には同氏が主宰するSANDWICHの作品や、関西にちなんだアーティストの作品がいたるところに展示されています。

ソファに腰かけると、目の前にはあれこれと本が。

すぐ脇には、共用のTVもあります。

ブロードバンドを通じたコンテンツ提供を始め、DVDプレーヤーなどの機器も充実。

建物のオーナーが某通信会社さんということもあるのか、この辺りの環境は、とてもモダンです。

窓辺のカウンター席は、日当たりの良い場所。

本を読んだり、ちょっとした仕事を片付けたりしたいとき、自然と足を運ぶ機会が多くありそうです。

iPadが共用備品として用意されています。

ラウンジに流れるBGMは、このiPadから選曲できるそうです。

窓側から見るとラウンジはこんな感じ。

奥に小上がりのスペースが見えます。

小上がり前のスペースには、ワンシーターのソファが2脚。

座面が奥深く、座り心地は抜群です。

ふと見上げると、特注の12面体スピーカーが天井から吊るされています。

「伸びやかで広がりを持った音響を360度に響き渡らせる」のだそうです。

凝ったBGM環境の極めつけは、ソファの裏手に揃えられたAV機器群。

関西を拠点に活動するDJ・レーベルから提供された、BGMセレクションも用意されています。

「小上がり」と言うには段差の大きい、中2階状のソファコーナーはいちだんとプライベート感のある空間。

友人を招待して、離れの感覚で利用することもできそうです。

飾り棚には、やはり気になる作品が。

ラウンジでは、スケールを生かして「アート&カルチャー」をテーマにしたオープンイベントが不定期に開催されています。

今後もワークショップなどのイベントは増やしていきたいそうです。

地域と密着した枠組みを作っていくことも検討中だとか。もちろん、日々の暮らしに迷惑のかからない配慮がされると思いますが、なかなか刺激的で良い環境ではないでしょうか。

大きな作業スペースを大胆に配置したキッチン。

テイストといい、スケール感といい、まるで海外のキッチンスタジオのよう。

フルオーダーメイドの作業台は日常使いはもちろん、パーティーシーンではさらに活躍しそうです。実際、入居者さん同士のパーティーもよく開催されているそうです。

シンクとコンロは、3セットずつ設けられています。

IH式のコンロは、3口。

火力よりも後片付けの手軽さを優先したい人にとっては、うれしいポイント。グリル付きのため、匂いや煙を気にすることなく焼き魚も楽しめます。

作業台スペースの青い扉を開くと、食器類が収まっています。

キッチン家電は、こちらにひとまとめ。

食器洗浄機も用意されています。

洗い物のたくさん出るパーティーなどでは、重宝しそう。

アーチ型にくり抜かれた入り口の奥は、食材などを保管するパントリー。

専有部ごとに使用できる収納ボックスがずらりと並んでいます。

対面の冷蔵庫は、壁の幅感に合わせてピタリと収まっています。

奥のドアは廊下につながっています。

2−3Fの廊下は、回廊型に設計。

北と南側にそれぞれ専有部が並び、中央部に水まわり設備がまとまって設置されています。

廊下の一角に設けられた、リラクゼーションスペース。

天然原料由来のアロマの香りに包まれた空間で、マッサージチェアが2台置かれています。

アロマは定期的に補充されるそうです。

カーテンを閉めれば、まわりの視線を気にすることなく、一日の疲れをぐりぐりとほぐしてもらえます。

ふたつのマッサージチェアの間に設けられたソファスペース。

サイドボード代わりの丸太に置かれたiPadでネットサーフィンをしながら、順番待ちをしている場面も見かけるかもしれませんね。

こちらは女性専用の水まわり。

トイレが2室、シャワールームが1室、バスルームが1室、洗面台がまとまっています。男性専用の水まわりも同じ設備数です。

女性専用にはお風呂あがりにくつろげる、化粧スペースも設けられています。

ヘアドライヤーやスチーマーも備え付け。じっくり朝の身支度やスキンケアに取り組めます。

シャワールームはオーソドックスなスタイル。

とは言え、鏡やボトルを置ける棚付きで、普段使いのツボを押さえたチョイスです。

バスルームもごくシンプルなタイプ。

1日の終わりにゆっくりと足を伸ばして、温まる。翌日に向けて、気持ちの切り替わる瞬間です。

トイレはウォシュレット付き。

配置も廊下に面しておらず、気兼ねなく利用することができそうです。こうした細かい設計は、シェアハウスでは特に大事。

ランドリールームも男女別々。

女性専用のドアは鍵付きです。

ドラム式の洗濯乾燥機が2台。

乾燥も込みでセットすると、どうしても時間がかかります。完了時間を把握して、すぐに取り出すことを心がけると良さそうです。

続いて、3Fの各設備を見ていきたいと思います。

階段の途中の踊り場には、特大サイズのアートが飾られています。

NAO MATSUMOTO氏の作品で、タイトルは“Midnight Constellation”(真夜中の星座?)。

ふと身を乗り出して階下を眺めると、こんな感じ。

リュック・ベッソンの懐かしい「レオン」で、ナタリー・ポートマンの眺めるアパートメントの階段も、こんな景色だったような。

3Fの扉を開くと、まず出迎えてくれるのはライブラリースペース。

書棚は、大阪では言わずと知れた“ベストセラーを置かない本屋さん”、心斎橋の「スタンダード・ブックストア」の監修だそうです。

食、旅、アート、デザイン、DIYをキーワードにセレクトされ、定期購読や季節に合わせた新刊が毎月届きます。

自宅にやってくるスタンダード・ブックストア。

本が好きな人には、たまらない贅沢かもしれません。

廊下を進むと、奥の一角はスタディルーム。

装飾を抑えたシンプルな空間は、ひとりで集中したいときにピッタリ。

課題に取り組んだり、会社から持ち帰った仕事をこなしたり。アイディアに詰まったときは、となりのライブラリーでネタ探し。

それぞれの空間を有効活用できる上手な配置だと思います。

廊下の反対側は、キッチンカウンター付きのカフェスペース。

濃いめのブラウンでまとめられ、シックな雰囲気です。

奥には大きめのシステムキッチンが設けられ、本格的な料理にも対応可能。

2Fのラウンジまで降りずとも、朝食程度ならここで手早く済ませることができます。

夜は夜で、お気に入りのリキュールを持ち寄ってカクテルパーティーを楽しむのも絵になるひととき。

窓辺にもカフェ席が設けられています。

右手奥に見える鍵付きのドアは、女性専用の専有部が並ぶフロアにつながっています。

水まわりは、やはり回廊の中央部に集約。

2Fの間取りと似たつくりですが、3Fは男女それぞれにトイレが3室、シャワールームが2室、バスルームが1室ずつ用意されています。

では気になる専有部を、2F−3Fの順で見ていきます。

ルームサインは、ステンシル系のシンプルなデザイン。

まずはモデルルームの202号室から。

約9.9帖の間取りで、窓は北向き。とはいえまわりに高い建物が無いため、ほどほどに陽が入る印象です。

ベッド、シングルソファ、デスクを置いても十分に残る余白。

特に2.8mの天井高が効いていて、表記の面積以上に開放的です。

備え付けのハンガーラックはシンプルなフォルム。

収納は他に用意されておらず、チェストなどは持ち込む必要があるかも。

窓辺にはデスクの代わりに、ベッドを置いても良さそうですね。

気持ちのよい朝を迎えられそうです。

205号室は2面窓の角部屋。

女性専用フロアの1室です。

掃き出し窓の外はベランダが設けられています。

ボタニカルなライフスタイルが好みなら、植栽を日光浴させるのにちょうど良いスペース。

214号室は、11.8帖と広めの空間。

奥行きのある長方形の間取りは、インテリアのレイアウトをシンプルに組み立てることができそうです。

照明はダクトレール式で、ライティングの自由度は高め。

フローリングの素材は、防音性に優れたタイルカーペット。

部屋のなかを多少ラフに行ったり来たりしても、足音が大きく響くことはありません。特にSOHOの人などに良さそうですね。

3Fには、水まわり付きの専有部が4室あります。

301号室もそのうちのひとつ。

基本的な間取りは、ほかの専有部と同じですが、ドア脇に水まわりが設けられています。

設備はトイレ、洗面台、バスタブの3点ユニット。

コンパクトではありますが、まあひとり暮らしでは一般的なタイプでしょう。

なにより、いつでも気兼ねなくバスタイムを満喫できるのは嬉しいところです。

壁や扉の防音がしっかりめに設計された、全48室の専有部。

間取りも5.4帖から13.3帖まで用意され、好みやライフスタイルに合わせて選べます。

エアコンも天井に埋め込まれ、スッキリ。部屋づくりにこだわる入居者さんも多いそうです。

なお、運営開始は2013年ということで、今回見ることのできた部屋が空いているとは限りません。実際に入居する部屋については、現地でご自身で確認されるのが良いと思います(いつものことではありますが、念のため)。

1Fのエントランス脇にはアトリエ・スペースが設けられています。

オープン当初は、招聘したクリエイターさんの公開作業場として使われていたそうですが、現在(2015.8)はフリースペースとして入居者さんも自由に使えます。

アイディアやインスピレーションが、具現化される空間。なんだか不思議なエネルギーが溜まっていきそうです。

トランクルームは有料(1,080円/月)です。

庫内は奥行きがあり、天板は取り外しが可能。

画材や工具などはもちろん、スノーボードといった大きな荷物も難なく収めることができます。

専有部に収納が無い分、こちらを有効活用するのもひとつの手です。

3Fにはハーフサイズのトランク(540円/月) も用意されています。

1Fのガレージがこちら。

自転車の駐輪は有料(540円/月)ですが、雨に濡れる心配がありません。メンテナンスにも使えそうな広さがあります。

ガレージ脇のポストルームには、宅配ボックスを併設。

忙しい社会人には、特にうれしい設備です。

最寄り駅は、阪急宝塚線池田駅

梅田駅までは直通で約18分。そこからなんば駅といった、大阪の主要スポットに気軽に足を運ぶことができるアクセス性があります。

大阪空港駅までは約14分。関西のソラに近く、海外旅行が好きな人、もしくは仕事で出張が多い人にとって便利な立地です。

住宅と駅をつなぐ商店街ではお祭りやイベントがまめに開催され、多くの人で賑わうこともあるそうです。

駅前は阪急オアシスやダイエーなどが軒を連ね、帰りがけに日常品をまとめて購入するのに便利なお店がまとまっています。

梅田まで約18分の立地に位置していながら、自然環境も豊富。BBQやジョギングの楽しめる猪名川や、関西有数の花見スポットの五月山も徒歩圏内にあります。

運営管理をされるのは、UDS株式会社さん。

2011年にホテルとアパートメントを融合させた「ANTEROOM APARTMENT KYOTO」をオープンさせ、今回が2棟目です。

住宅だけではなく、ホテル、商業施設、オフィスなどの企画を、都市デザインの視点から設計していく事業を展開。

キッザニア東京」や目黒の「CLASKA」と言えば、ピンとくる人もいるかもしれませんね。

今回のシェアハウスではアート&カルチャーをテーマにしていますが、高齢化の進む商店街に若い人を呼びこむことで、地域活性化を図ろうとする一面もあるそう。ラウンジで開催されるオープンイベントもその一環。

コト、モノ、ヒトの集合から生まれる、多様な発展性を秘めた暮らし。

感性を刺激される毎日を過ごしてみたい方は、コチラからお問合せを。

五月山周辺で毎年催される「がんがら火祭り」は、300年以上の歴史を持つ無形民俗文化財だとか。

2015年の開催は、8月24日だそうです。内覧時は、合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。

(ソン)

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