シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
ズキュン!
山田荘。
数あるシェアハウスのなかでも、なかなかに渋い名前です。
これまで約50年ものあいだ、学生を対象とした下宿として運営されていました。
下宿を営んでいたのは、おばあさん。
きっと、ある時は教師のように、またある時は母のように、優しく厳しく学生たちを見守っていたはず。
たくさんの学生たちを送り出し、下宿としての使命を全うした後、しばらくは空き家になっていたという山田荘。それを、おばあさんの孫にあたる現在のオーナーさんは、シェアハウスに生まれ変わらせることを決めたのでした。
はじめにお話を聞いたときから、ひしひしと伝わってきていた良い予感。
実際に訪れてみると、想像を超えた素敵な仕上がりに、たちまち虜(とりこ)になってしまいました。
長い年月を重ねた下宿の持つ懐かしさと、世界観のある独特の新しさ。
オーナーさん家族が1階に暮らす、昔とおなじ下宿スタイルも、この家なら良いスパイスになりそうです。
最寄り駅からは、御池通を10分ほどまっすぐ進みます。広大な工場の敷地を抜け、住宅街へと変わったあたりで路地に入ると見えるのが「山田荘」です。
元・下宿だけあり、周囲の戸建と比べてちょうど2倍くらいの大きさでしょうか。なかなかの存在感です。
玄関の扉は、すりガラスのはめられた昔ながらの引き戸。
カラカラ…と、戸を引く音で、誰かが帰ってきたり出かけたりする気配がわかります。
開けながら「ごめんくださーい」「ただいまー」なんて声を掛ける姿が、引き戸はなぜかしっくり来るものです。
一歩入ると、そこは自転車が数台停められそうな広い土間。
はやくも、実に下宿らしい造りです。
正面の障子の先は、オーナーさん宅。ですから、玄関はオーナーさんの家族と一緒に使うことに。朝出勤するタイミングで顔を合わせることも多くなりそう。
振り返ってみても、うーん、広い。
左手の白い障子戸の先にも部屋がありますが、こちらもオーナーさん用のスペース。でも、多目的に使っていて開けていることも多いとか。
靴箱はひとり1段程度使えます。
土間は広いですが、靴を出しっぱなしにせず、きちんと決められた場所にしまうのがルール。隣に、専用のスリッパ入れも設けられています。
靴箱の対面には黒電話と金魚鉢(金魚入り)。
最近すっかり見かけなくなりましたが、金魚鉢といえばこの形。
下宿していた学生さんが代わる代わる使っていた、歴史ある黒電話だそうです。玄関に腰掛けてガラスをコツコツと弾いたりしながら、故郷に電話をかけていたのでしょうか。
玄関を入ってすぐ右手に、2階へ続く階段があります。
階段を上がる手前でふと見上げると、見落としてしまいそうなほどさり気なく、銅板のプレートが取り付けられています。
描かれているのはシルクハットに口ヒゲを生やしたおじさん。オーナーさんが友人の銅板作家の方に頼んで作ってもらったものだそうです。
なぜおじさんかというと、「英国紳士」をイメージした内装だから、とのこと。キチンとストーリーがあるそうですから、是非オーナーさんに聞いてみてください。なかなか壮大なストーリーです。
階段を上った先は、すこし広めの廊下です。
ここまで来てもまだ英国紳士の気配はなく、下宿らしさ満載です。
ただ、カーテンの奥には背の高そうな植物がチラリ。
気になりますね。
はやる気持ちを抑えて、上品にカーテンをくぐってみたいと思います。
ふと訪れる、頭上の抜けるような感覚。
突然、目の前に海外のアパートメントのような素敵な空間が広がります。
もともと梁の高さのところにあった天井を抜いて、屋根裏まで見えるように改装したそう。日当たりも良くて、とても開放的です。
派手すぎず、でもしっかり主張してくる色使いも絶妙なバランス。
ついつい部屋の隅に置きがちな植物を、シンボルツリーのように真ん中に配置する大胆さも新鮮。
イメージしていた「英国紳士」とのあいだに多少のギャップを感じつつも、オーナーさんのあふれ出るセンスにやられます。
テーブルやキッチンから見えやすい場所に、テレビが設置されています。
テレビの下の段には、なんとレコードプレイヤーが。
もちろん現役です。
音楽好きのオーナーさんがチョイスしたCDやレコードが並びます。これから、入居者さんのオススメも増えていくのでしょう。
晴れた休日の朝は、テレビを消してレコードを流す。爽やかな一日になりそうです。
ソファでのんびりできるスペースも。
すぐとなりに本棚を置くあたり、さすが、わかってますね。
ジャンルを問わず、名作がズラリ。
文庫本の読み込まれた雰囲気も、またよく馴染みます。
リビングの一角に置かれた、存在感のある謎のボックス。
観音開きの屋台のような作りで、上部には「KIOSK」の文字。
聞けば、オーナーさんと友人による手作りで、山田荘のオープニングイベントのために作成されたものだとか。
自分で作ったアイテムや不要になったものを、ここで販売・交換して使うイメージだそうです。
フリーコーナーやおすそ分けに近いでしょうか。入居者さん同士のコミュニケーションツールのひとつとして活躍するのかもしれません。なお、現在はリビングに置かれていますが、廊下に移動する予定とか。
高い天井を活かして、小さなロフトも作られています。
ロフトに上がるには、普段は壁に引っ掛けて収納されているハシゴを使います。
ハシゴを引っ掛けるフックはなく、梁に立てかけるだけですから、登っているときは結構スリリング(安定感はあります)。
でも、登ってしまえばこの光景が!
これだけのスペースを俯瞰する機会はそう多くありません。イベントのときなど、上から写真を撮ってみると面白いかも。
ロフトの広さは2畳ほどでしょうか。使用頻度の少ない共用の荷物を中心に、収納スペースとして使うことになりそうです。
そうそう、大きな窓からはベランダにも出られます。
ベランダがまた良い感じ。
少し奥行きがあるため、椅子を出してのんびりできそう。
実はベランダの奥側には階段があり、1階にアクセスすることも可能です。
隣接している建物の壁には窓がなく、視線も気になりません。洗濯物を干すにも、ちょうど良いですね。
屋根もありますから、急に天気が崩れてしまっても被害は最小限に食い止められそう。
夜は夜で、ランプを灯してビールを一杯。夏が楽しみですね。
ベランダの目の前はキッチン。
モルタルの部分は、オーナーさんと友人で一緒に塗って仕上げたそう。
仕上げのムラっけのおかげか、逆に冷たい印象はありません。
キッチンの内側は、青緑のタイルがとてもさわやか。
シンクはステンレスの業務用タイプ。
すこしコンパクトではありますが、ひとり分の調理や片付けなら充分ではないでしょうか。
ヒーターはIHで、掃除も簡単です。
ちなみに、彼女がシンク周りの責任者。
体(髪の毛)を張って、食器洗いを頑張ってくれます。
オーナーさんの手作りアイテムはこんなところにも。
ワイヤー製の取っ手を引っ張ると、ゴミ箱が手前にスライドしてきます。これでゴミ箱のフタはグッと開けやすく。
地味な部分ではありますが、小さな心遣いが嬉しいですね。
キッチンスペースは広めに取られていて、調理をしている人の後ろで洗濯物を片付けている人がいても、余裕の広さ。
キッチンに洗濯機があると、一気に海外の雰囲気に。不思議ですね。
食器棚はオープンなタイプ。
食器の中には、お猪口も並んでいました。
その他にもワイングラスやコーヒーサーバーなど、自分で買うほどではなくても、あると嬉しいアイテムが揃います。
さて、先程から気になっていた、この不思議な形。
よくよく見るとそれぞれに取っ手が付いています。
開けてみると…
なんと、水まわり!
当初は普通の四角いドアを考えていたものの、デザインを手がけた方にこう言われたのだそうです。
「オーナー、それでいいんですか? …やりたいこと、やれてますか?」
その言葉で踏ん切りがつき、このトランプのようなユニークなドアができ上がったとか。最後にすこし背中を押すって、大事です。
ちなみにこのドア、作るのはとても大変で、職人さんに断られてしまったこともあったのですって。いやはや。
ふたつ並んだドアの左側は、シャワールーム。
海外のバスルームをイメージし、白いタイルに囲まれた脱衣室が素敵です。
シャワールームはこの1箇所のみ。ゆっくりバスタブに浸かりたい方は、徒歩1分ほどの銭湯へ行くのがオススメです。
右側はトイレ。
今まで数多くのトイレを見てきましたが、そのなかでも恐らく1、2を争う振り切った仕上がりだと思います。
テーマは博物館。よく見ると石像がいたり、絵画が飾られていたり。
なにより、シカのツノとトイレの相性がバッチリなことに、とても驚きました。
こういう攻めた取り組みを見ると、トイレはまだまだポテンシャルを持っていますね。面白い!
トイレの隣は、洗面スペース。
キッチンと同じ青緑のタイルと、植物の組み合わせがいい感じ。
洗顔料など、物を置ける場所もしっかり確保されています。
専有部は、廊下側とリビング側に3部屋ずつあります。
廊下には、下宿時代に学生さんに向けた手書きの心得。
今でも守らなければいけないことが、この中にきっとたくさんあるはずです。
まずは201号室。
全室畳の6畳で、間取りが少しずつ異なります。
写真はモデルルームで、家具はすべて持ち込みになります。
エアコンと天井照明のみ設置されています。
置いてある家具や小物は改装の際に出てきた、おばあさんの私物とか。
もの作りが好きな方、大歓迎とのこと。アトリエのように使うのもよいかもしれません。
収納スペースは、薄手のアコーディオンカーテンが扉代わり。
中板のある押入タイプ。容量はまずまずでしょうか。
荷物の多い方は収納家具を持ってくる方が良さそうです。
改装して新しく加わったランプ。
下宿時代から、ずっとここにあるように馴染んでいます。
続いて202号室。こちらもモデルルームです。
元々の間取りをそのまま活かしているため、生活スペースはしっかりめ。
どの部屋も日当たりがよく、昼間は照明がなくても充分過ごせます。
洋室での暮らしに慣れている方も、畳にラグを合わせれば、インテリアも作りやすそう。
季節に合わせてラグを変えたりすると、気分転換にもなりますね。
ちなみに、各部屋の電気代はメーター精算です。
その分、共益費は少しリーズナブルな設定。電気代で多少の節約はできそうです。
最後は206号室。
銅板のルームプレートには、「英国紳士」のヒゲが忘れられています。
同じくモデルルームですが、ラグの色合いが変わると、随分と印象が変わるようです。
ベッドを置いてもスペースはしっかりと確保できそう。布団派の方でも、使わない時に収納スペースにしまっておけるのは嬉しいですね。
建物の端には、白い柵が設けられています。
ひねるタイプの鍵を開けて内側へと進むと、細い路地が続きます。
ここは自転車を置けるスペースとのこと。屋根も付いていて、雨の日も安心。
地面には砂利に混じって、白い石のようなものが敷かれています。
これはなんと、陶芸を専攻していたオーナーさんの卒業制作である、大きな大きな器を割ったもの(!)。
そう聞いてしまうと、踏んでしまうのが申し訳ない気持ちになりますが、普通に使って良いそうです。
烏丸御池駅までは6分。さらに乗り換えて、京都駅までなら15分ほど。
シェアハウスと反対側の駅前にはレストランやカフェ、複合施設がありますが、シェアハウス側には目立ったお店や施設はありません。
その代わり、駅からの一本道に大型スーパーが建っていて、日常的な買い物にはここがとても便利。
また、御池通を渡ると、銭湯があります。
通っていると割引などもあるとかないとか。疲れた身体を休めたい日には、お風呂セットを抱えて行ってみても良いかもしれません。
御池通沿いは交通量も多いですが、一本入ると静かな住宅街。
小さな川も流れている、穏やかなエリアです。
運営管理は、オーナーでもある「有限会社Tango」さんが行います。
茶目っ気のある、という表現がしっくりくる素敵なお姉さん。
美大出身ということで、独特の世界観と鋭いセンスが空間にもあふれています。
下宿を営んでいたおばあさんも腹話術の人形を製作していたりと(!)、どうやらクリエイティブなご家族のようです。
イベントも好きなオーナーさん。自作のKIOSKを使って、入居者さんたちと外部のイベントに出展したい!という願望も持っているとか。
オーナーさんは1階に暮らしているため、顔を合わせる頻度は通常のシェアハウスより高めになるでしょう。
好みはあると思いますが、一定の距離感もうまくつかんでいそうな方ですし、肩肘張らないフランクな関係を築いていけそうな気がします。
オープンからあっという間に満室になってしまいましたが、空室を見つけたらコチラからお問合せを。
このテイストは、全国を探してもそう出てくるものではありません。
出会いはチャンスです。
ズキュン!
胸が高鳴ったら、それはきっと運命です。
(テルヤ)
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