シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
人も、家も、街も、育っていく。
住と職。これらの関係性は今では大変興味深いトピックのひとつです。
昨今、SOHOやサードプレイスというフレーズをよく目にしますが、昔の下町は職住一体型のスタイルが多く見られました。そのひとつが、この長屋という住スタイル。玄関から続く広い土間や、ガラガラと音を立てて開ける引き戸に趣を感じます。
今回、紹介するのは「Re:緑橋」。長屋を活用した職住一体型でシェアハウスという、ある意味実験的な物件であると言えます。
ただ、入居者の方がここで店を構えるというわけではなく、別途審査を通して契約したテナントさんが店舗スペースを活用されるのだとか。入居者同士の接点を生む場所・共用部に加えて、外部との接点ともなりうるであろう店舗が一体となった本物件。
なにやら、面白いことがおこりそうな予感がします。
街中の地下鉄駅から間取り角を二つほど。2~3階の現代風な建物がならぶ中に、紛れ込んでいる純和風なこちらが今回のシェアハウスです。
外観の塗装は新しいものですが、建具はしっかりと使い込まれています。
玄関は2つ。左側が住居用、右側が路面に面した店舗用です。
軒下で見上げれば琺瑯の玄関灯。柄の曲線がモダンともアンティークとも感じます。
引き戸の端っこには、ちょこんと鍵もついています。
もちろん、この手の建具なので開ける際はがらがらがらと音がします。なんともノスタルジック。
「やってる?」
なんて、ついつい声をかけたくなる玄関。紺色ののれんなんて掛けておくと、様になりそう。
引き戸を開けると土間が広がります。
土間の奥、段差を上がったところがリビング。
広めの土間は、実は店舗スペースのテナントさんとの共用設備なんだとか。左手に見える木目のスペースには共用のトイレや傘収納が設置されています。
思わぬ出会いが待っているかもしれません。
それでは、段差をあがってリビングへ。
壁の木目から懐かしい雰囲気が漂う、ほっと落ち着く空間。
置かれたソファやテレビボードも、年季の入ったしっくりと手に馴染む物たちばかりです。
並んだ窓は店舗スペースにつながっているので、日常的に開閉するには少し抵抗があるかもしれません。
土間へ続く引き戸は、サイズをあわせるために木枠にはめ当てたのだとか。
テレビの背面にある押入れ収納は、驚くなかれ靴の収納スペースです。
かなり珍しい仕様のため慣れが必要そうですが、収納力は申し分なし。逆に、余裕がある分詰め込みがちになりそうなので、整理整頓できるよう心がけたいものです。
そして、空間のなかで新鮮な空気を漂わせているのが、まだ切り出して間もなさそうな無垢材の床。
聞けば、有志を集って木材の切り出しから貼り付けにいたるまで、すべてセルフメイドされたのだとか。
職人技に勝らなかった部分もちらほらありましたが、全体的にクオリティの高いものに仕上がっています。(すごい!)
よく見れば天井の照明も手作り風。きょろきょろと気になっていると、「竹を採ってくるところからやりました」との声が。
やればできるとは、まさにこのことです。
リビングの奥にはキッチンがあります。
こちらもリビング同様、なかなかの年季の入りよう。オフホワイトとエンジ色の組み合わせは、誰しもがノスタルジーを感じる配色ではないでしょうか。
コーナーを活用したキッチンは作業スペースが十分にとられていて、使いやすそう。
しっかりとした機能性は時代を超えてもまだまだ現役です。
シンクの前には大きな窓があります。
キッチン下には収納スペースがぐるり。調理器具や盛り付け用の器を取り出す際の導線が短いので、効率良く調理ができそうです。
作業台脇にはチェアを2脚おいてカウンター風に。
このカウンターに出来上がった料理が次々と並ぶ光景が目に浮かびます。つまみ食いする奴らが群がる光景とともに。
かわいい(?)タイルはご愛嬌です。
それでは、キッチン脇から水まわりへ続く廊下へ。
赤い絨毯が印象的な細い廊下の突き当り右手にバスルームがあります。バスルーム脇には102号室があります。
ドアを開けるとこんな感じ。脱衣室がランドリーや洗面台から独立しているので、安心してバスタイムを楽しめます。
そして、お待ちかねの自慢のバスルーム。
なんと、正真正銘のひのきブロなんだそう。浴室に合わせて作ったのだそうです。
お湯を張ればひのきのいい香りがしてきそう。バスルーム自体はコンパクトながらも、これなら満喫できそうです。
あたまには手ぬぐい。桶には日本酒。半身浴といわずにザバンと肩まで浸かりましょう。
さて、それでは専有部が並ぶ2Fへ上がります。
昔ながらの旅館を彷彿させる赤い絨毯は階段も、上がった先の廊下も続いています。
建物を回廊するようにぐるりと這った廊下。角や廊下沿いをうまく活用して、トイレや洗面台が設置されています。
廊下脇に洗面台や洗濯機が並んでいるのは新鮮な感覚。
陽のあたる位置に洗面台があるのは嬉しいですね。目がパチっと覚めそう。
ただ、通り道でありコンパクトなスペースなので、のんびりは禁物です。
洗濯機の隣のドアはトイレです。
建物には年季が入っていますが、トイレはこのとおり新しいものが設置されています。
洗面台の先、2段ほどの段差を上がるとちょっとした広間が設けられています。
撮影時には何も置かれていない状態でしたが、日当たりの良い爽やかな空間なので、2人用ソファなんて置いてみると読書スペースとして活躍しそう。
ただ、脇の引き戸は204号室ですので、夜間は静かに過ごすのがお約束です。
掃き出し窓の先には小ぶりなベランダがあります。
洗濯物を干す際はこちらをつかうことになりそう。風通りが良いので、乾きやすそうです。
はしごの先のロフトは、巡回で訪れる事業者さん用のスペースとのこと。
事業者さんは実際にシェアハウスに住まわれている方が多いとのことなので、いろいろとアドバイスをもらったり教えてあげたり。
暮らしのノウハウをぜひ育てていただければと。
それでは、専有部を見ていきます。まずは1F階段脇にある101号室です。
おそらく以前は和室だったのでしょう。
窓枠や天井から面影が少し残った室内は、リビング同様に無垢材のフローリングが張られています。
収納は押入れタイプ。このままでも十分に収納力があるとは思いますが、ポールハンガーなどを設置するとより使い勝手がよくなりそう。
窓は昔ながらの木枠のすりガラス。鍵はねじり錠です。
窓をあけると、4コマ漫画が読めます。(逆さまですが・・・)
こちらは102号室。
随所に古さが見受けられるので、それらをポジティブに考えられる人が向いているかと思います。
たとえば収納の扉も、古いととるか、長年使い込まれた木の味ととるか、そこが大事かと。
間取りはコンパクトでシンプルですが、収納スペースは広めです。
階段が隣にあるので、ポールハンガーをつけるのは一工夫必要そうです。
つづいて、こちらは204号室。
間取りはシンプル、ほどほどに広さのあるスペースが特長です。
収納は天井近くにあります。
日当たりはあまり期待できないかもしれません。ただ、部屋のとなりが日当たりの良い広間なので、そちらで日中は過ごすというスタイルになるかなと思います。
207号室には専用の階段があります。
部屋の入り口はというと、1Fリビング脇にある階段を上ります。
そして行き着く先はこちらのシャンデリアが眩しい部屋。
収納には一癖あるのでご注意を。
扉を開けると、棚が渡っています。ハンガー派よりも、畳んで収納する派の方はぜひ。
収納ボックスを活用すると、もしかするとポールよりも便利かもしれませんね。
広さ、収納量ともに余裕のある部屋なので、賃料は他と比べ高めの設定ですが、住み心地は良いと思います。
最後に、気になる店舗用スペースを少しだけ見てみます。
入り口は入居者さん用玄関のお隣の引き戸。店舗によって引き戸は開けっ放しだったりするかもしれませんね。
店舗スペースはというとこんな感じ。
2012年夏頃まではアクセサリー屋さんがテナントとして入るのだとか。
長屋の和なテイストとアクセサリーとの組み合わせがどんな化学変化を起こすのか、とても興味深いです。
また、そのあとテナントとして入るこハンバーガー屋さんなのだそう。
心配せずとも全国展開しているチェーン店の類ではなく、ローカルだけれどファンが増えたのでスタートします、といった感じなのだそう。
知る人ぞ知る名店が、シェアハウスから生まれるかもしれません。
最寄り駅は、各線・緑橋駅。
駅を出るとすぐ大通り。そのため、交通量も多く、コンビニなどのお店も並んでいます。
大通りは賑わっていますが、一本奥へ入ると落ち着く街並みも生活しやすそう。
近くには商店街があるので、生活用品には困らなさそうです。
市街へのアクセスは本町まで8分、本町乗り換えで大阪駅(梅田駅)、難波駅ともに17分、新大阪駅までは21分です。
さて、運営は「有限会社Come on UP」さんです。
これまで、東京都内で幾つものシェアハウスを手がけてきた事業者さんで、運営方針は「自主・自立」とのこと。フローリングやひのきの浴槽など数々のDIYからも察するとおり、自分たちの事は自分たちで解決、というスタイルなんだそうです。
致せり尽くせりも良いのですが、こまめに自分たちでメンテナンスしたほうが愛着は幾分も持てそう。そう感じていただける方にハマるかと思います。
事実、まだこれからメンテナンスしていく余地はあるかと思います。その分、Re:緑橋の成長が楽しみだったり。
これから育てる大阪長屋。このフレーズにドキッとした方は、ぜひコチラからお問い合わせください。
なお、社長さんは英語も堪能とのこと。長屋・町家に興味のある外国人の方も心配はご無用とのことです。
「Re:」には何が込められているのでしょう。
本来ならばラテン語の“res”、「~について」「~に関して」という、そのコトに対して議論したり内容を詰めたりする際の「用件」といった意味になります。ただ、「Renovation」の“Re”であったり、あえて「Repeat」の“Re”でもあるのかもしれません。
~大阪長屋の再活用することで、緑橋をもっと豊かに~
そんなメッセージが込められているような気が、なんとなくするのです。
(イシクラ)
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