暮らし、慎ましく

シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?

澄んだ空気を、胸いっぱいに吸い込んで。


今日は予定が何もない。月に1度は空っぽの日を、あえて用意しています。

天気が晴れだと、ぶらぶらと思うままに書店を巡ってみたり、喫茶店に入ってカレーを食べたり。適当に選んだ本をパラパラめくって、普段目にしない言葉を手帳にメモしてみる。でも、基本ぼーっと頭のなかは空っぽ。景色や匂いが、空っぽの頭のなかを通り過ぎるのを楽しみます。

そんな1日を過ごすのにピッタリだと思うのが京都の街です。

三条大橋のスタバで一服したあと、カメラを携え自転車に乗って南禅寺までふらふらと散歩。鴨川を背に三条通りを東へズンズン進むと、建物はだんだん低くなり、正面に見える山がだんだん大きくなってくる。建物同士の間隔がひらくにつれて、時間もゆっくりになる。と同時に、この感覚は、このエリア独特のものであり魅力なのだとも思います。

だんだんとレイドバックされていく感覚、なにか非日常的なものが体の中に流れ込んでくる感覚は、市街地にほど近い場所にある南禅寺の魅力のひとつなのかな、なんて思います。

今回のシェアハウス探検隊で紹介する「Sloth life Nakatsugawa」は、そんな東山山麓エリアのシェアハウスです。

建物は大正時代生まれ、オーナーさんの祖父が建てた木造建築なのだそう。

以前は、さまざまな国籍のアーティストの集う集合住宅だった時代もあったのだとか。

ただ、市街地に隣接しながら静かでゆったりとした雰囲気を纏うこの土地で、1世紀近い時間を寄り添った住まいは、この土地らしい落ち着きと慎ましさを備えています。

住人さんは、木々の変化で季節を知り、食卓には季節の料理が並び、ときに薪を割ったりお茶会を開いたりしながら、快適に暮らしているそう。スローなライフスタイルが家のつくりとピッタリ合わさることで、唯一無二の暮らし心地を生み出しているようです。

「お寺に住み込んで精神を鍛える」ではないですが、Sloth life Nakatsugawaに住んで心を研ぎ澄ますという話もアリなのでは。


最寄り駅は蹴上駅

駅の構内から最寄りの出口へ続く道には、京都市動物園のかわいらしいポスターが貼られています。

地上にでると、そこは抜けの良い景色の三条通り。そこから、出口のすぐ脇の小道に入り、安養寺の参道へと足を伸ばします。

シェアハウスへの道のりは、鳥居を傍目にゆっくりと坂を上った先。自転車も押して歩けるように歩道は整備されています。

7分ほど歩道を進むと、「Sloth life Nakatsugawa」が見えてきます。運動不足な人だと「ふぅ」と一汗かくかもしれません。

ワサワサと緑の生い茂る環境は森の中のよう。実際に山の中にいるので、「森の中」という表現もあながち間違っていないのかもしれません。

大正時代生まれだからなのか、昭和のノスタルジーを飛び越えた品のある佇まい。

小ぶりな昔の名残りとも言えよう玄関扉。ガラガラと音を立てる引き戸が懐かしいです。

扉を開けると、ふわっと新しい家の匂いと明るい空間が広がります。

壁や柱は当時のモノがそのまま使われているものの、床や造りつけの家具はまるっとリノベーションされています。

年月を経た深みのある木の色と、みずみずしい木の色は意外にも調和が取れ、ほっと和む空間へと仕上がっています。

玄関に置かれた生花も、みずみずしくも深い味わい。

リビングは玄関の正面にあります。

リビングのドアは大きい透明のガラスの引き戸。

閉めている時も、廊下や玄関とつながっているような感覚になります。


それでは、リビングへ。

白い壁と無垢材の床が、照明の明かりをふわりと拡散。

ほっと気持ちが穏やかになる、温かみのある空間が広がります。

間取りはキッチン、ダイニング、リビングとだんだんと視線が下がっていくレイアウトですが、それぞれの空間に明確な仕切りがないため広々とした印象を受けます。

窓際のリビングは、床に腰を下ろすジャパニーズスタイル。

この手の空間では畳が敷かれていることが多いですが、無垢のフローリングの感触もほんのりと柔らかくて良い感じ。

よっこいしょと腰を下ろせば、うーんと伸びをしながらフローリングの節目を愛でる、そんな時間を誰もが一度は経験しそうです。

窓の外は、庭師さんが手入れしたという中庭があります。

こぢんまりとしていますが、窓に写るしっかりと組まれた石垣と生い茂った緑は迫力あり。作り込みすぎず、ほどよく自然のままのカタチを残した庭。眺めていると、時間がゆっくりと過ぎていきます。

窓の外の庭から少し目を外せば、意匠が素敵な建具に心を奪われる昼下がり。

骨董市で見つけたお気に入りの湯のみであつーいお茶を啜りながら、のんびりと休日を過ごしたいですね。

ダイニングとキッチンは品の良い佇まいの家具で構成された、良い意味で「ふつう」の空間。

ところどころに、アンティーク家具や古道具がセンスよく並べられています。

ダイニングテーブルをテラス照明だけは、ソリッドなデザイン。

このランプひとつで、ダイニングがきりっと締まっている気がします。


キッチンは大きなL字型のオープンキッチンです。

キッチンは一部がダイニングに開けたカタチ。

コンロまわりは壁に面しているので、壁面によく使う調理器具を並べておくことができます。

また、揚げ物や炒め物を調理するとき、ダイニングに油が飛び跳ねないなどのメリットがあります。

逆に食材を切ったり、盛り付けたり、という作業はダイニングに集まった入居者さんと楽しい時間を共有。

シンク台がダイニングに開けているので、面倒臭い食器の片付けも会話をしながら、さくっとこなせそうです。

なにより、おいしいものと嬉しそうな顔を見ながら料理をしていると、「もっと美味しいものをつくろう」と思うようになるから不思議です。

ちょっと手の込んだ料理をしよう。そんなときにあって嬉しいオーブンもあります。

ケーキも、パンも、焼き魚も、ラザニアも自宅でちょちょいと作れます。


廊下の奥には、もうひとつの共用スペースがあります。

場所は、階段を上がる手前の板間の奥。

そこは、「あ、懐かしいな」という感情が沸き上がってくる純和風の畳の空間です。

分厚い座布団を見ていると、実家の祖父母の家を思い出します。

正月、お盆、お祭りの日、親戚が集まってテーブルいっぱいの手料理を取り囲んで食べたなぁ。そんなことを頭の片隅で思い出しながら、少しのあいだ正座をして過ごしたのですが、ものの数分で脚が痺れてしまいました。

小さいころは大丈夫だったんですけどね。精神を鍛えるには良い空間かもしれません。

縁側で読書をするのもオススメです。

縁側に座っていると、陽の光をいつもよりも心地よく感じます。ほかほか体が暖まるのが気持ちいいのかな、なんて。

ときには、読書している隣で薪を割っている人を見かけるかもしれません。

というのも、薪ボイラーを導入する予定なのだそう。

つい、釜に薪をくべてフーフーと息を吹き込むようなものイメージしれしまいますが、意外と先進的なルックスになるのではと思います。当面は回収時に出た木材もあるとのことですが、来年の冬あたりには、本格的に薪を割っている入居者さんの姿を見かけそうです。

ちなみに、薪の割りかたにもコツがあるようです。

ワークショップなども開いているようなので、これを機械に斧の振り方、使い方を学んでみるのも良い人生経験になるかと。


それでは、水まわり設備を見ていきます。

バスルームは各フロアに1室ずつ設けられています。

ともに肩までゆったり浸かることのできるバスタブです。

窓があるので、換気もしやすいかと思います。

洗濯機はそれぞれのバスルームの脱衣室に設置されています。

バスルームの利用時間との兼ね合いがあるので、入浴時間の予約表を作ったり、ランドリー利用の予定表をつくるなど、ルールに工夫が必要かもしれません。

ちなみに、乾燥機は1Fのみ設置されています。

2Fの洗濯機で洗ったものは、廊下の突き当りにある物干しスペースを使ってくださいとのこと。

ちょっと面倒臭いかもと思いきや、この物干し場が洗濯機と行き来しやすかったり、雨の心配がなかったり、部屋干しするよりも、むしろ勝手よく使えるかと思います。

洗濯物が干されている生活感が、なかなか良い感じの風情とも感じられるから不思議です。

洗面スペースは、廊下の突き当りや階段の脇など行き来しやすい場所に設けられています。

とくに、1Fの洗面スペースは陽の光がよく入るスペース。朝の時間を、より心地よく過ごせられそうです。


それでは、部屋を見ていきます。

まずは、101号室から。和室の作りをそのまま活かした無垢フローリングの部屋です。

広さは8畳ほど。障子の窓の先には庭を悠々と眺められる縁側もあります。

雪見障子の小窓を開けて、外の様子をちらりと確認。雪見障子という位ですから、雪が積もった景色も一度は見てみたいもの。

寒さの厳しい冬の季節、楽しみがひとつ増えそうです。


こちらは201号室。

ガラスのデザインがとても印象的な窓が4枚ずらりと並んだサマは、洋館のようにも見えます。

磨りガラスは、程よく外からの視界をシャットしてくれているのですね。昼間ならカーテンいらずで過ごせそうです。

窓のガラスをよく見ていると、小さな気泡あったり、微妙に波打っていたり。

聞けば、改修前から使われていた窓なのだそうで、おそらく手作りのガラスなのだそう。これからも大切につかっていきたいものです。

収納スペースはこんな感じ。押入れの中棚は取り払われています。


最期に、こちらは203号室。

ふた間とも使え、合わせて9畳ほどの広さがあります。

ベッドルームと書斎という具合に部屋を分けて使うも良し、開けっ放しで広く使っても良さそうです。

冬以外のシーズンでは、たくさんの葉を付けた大きな楓が窓に映ります。

春の新芽、夏の青葉、秋の紅葉。毎日の小さな変化を、木を見て敏感に感じとるなんてのも乙です。


最寄り駅は、京都市営地下鉄東西線蹴上駅です。

三条駅まで電車で4分、自転車だと10分強といったところでしょうか。

駅を出た先にある三条通りには生活雑貨品を揃えるお店が少ないので、自転車で気軽に行き来できる三条や東山で買い物をすることが増えそうです。

お店が少ない代わりに、蹴上の周辺にはインクライン南禅寺といった時代に流されない景色が残っています。

明治の時代から1940年まで運行されていたという、蹴上インクライン。

残された線路と緑豊かな景色が相まった、情緒のある風景が残されています。言わずもがな、春には桜の名所となります。


運営・管理は、オーナーでもある「Sloth life Nakatsugawa」さんが行います。

今回はじめてシェアハウスの運営を行うオーナーさん。この土地や環境を最大限に活かすべく、薪ボイラーを筆頭にエコでスローなスタイルを取り入れたいと話します。新緑や紅葉などの四季折々の景色のほか、近くでは湧き水も楽しめるそうです。

また、この建物とはずーっと長い付き合いなのだそうで、この建物を建てたのもオーナーさんの祖父にあたるのだそう。

実は改修以前のSloth life Nakatsugawaの姿を知っています。というのも、偶然にも“ 気になる建物 ”メモとして残していたひつじ不動産スタッフがいたのです(!)。聞けば、どこか自由さを感じる雰囲気と、それとは相反する慎ましい佇まいを纏っていたのだそうです。

ビフォアーの状況のことを考えると、今回のリノベーションで建物が持っていたポテンシャルをグっと伸ばした、よりたくさんの人にこの建物の良さを理解してもらえる形になった、と言えるのではないでしょうか。

澄んだ環境のなかで、体の奥からきれいに素直になる暮らし。「あ、いいな」と思ったときが、暮らしを変えるキッカケです。お問合せはこちらからどうぞ


Sloth life Nakatsugawaから南禅寺境内へ続く散歩道も、贅沢な風景にあふれています。

木の葉の影を踏みながら水路沿いを進んだ先には、赤レンガの水路閣。橋脚のアーチの風格と言ったら…息を飲まずにいられません。

(イシクラ)

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